依存症快復プログラムrecovery program

体験者の声

アルコール地獄からの生還
 若い頃は、大酒飲みで名が通っていた私でしたが、35歳頃より、朝酒をするようになりました。次第に、酒が切れ始めたら、昼夜関係なく飲み続けるようになり、酒を手放せなくなりました。
 家族に連れられてきたのが岡豊病院でした。先生に「アルコール依存症です」と宣告されましたが、仕事柄、土地柄を考えると、アルコールを完全に断つのは無理と思い、節酒を試みました。自分なりに考えられる事は全て試しましたが、どれも長続きせず失敗に終わりました。離婚、失職、飲酒運転、事故、臓器障害など、ありとあらゆる酒害を経験しました。
 この病気は思いや意思だけでは決して良くなりません。如何に断酒に結びつく行動を継続できるかが大切です。この病院で「断酒の三本柱(ミーティング・抗酒剤及び飲酒欲求抑制剤・自助グループ)」といった具体的な対処方法を学びました。
 今は週に三回はプログラムに通い、そこで出会った仲間のおかげで、どうやっても止めることが出来なかった酒が止まっています。何気ない毎日ですが、アルコール地獄から這い上がれたことに日々感謝をして、一日断酒を積み上げていきたいと思います。
出会い、つながり、そして快復
 当時の私は酒が止まることはなく、行くあてもなく泥酔して、車椅子でオムツをつけた状態で岡豊病院につながりました。今までいくつかの精神科病院に入院しましたが、岡豊病院で初めてアルコール依存症快復プログラムに参加することができました。さらに、入院中から院外の自助グループのみならず、県外の自助グループにも行かせてもらいました。退院したその日から自助グループに参加し、生活の中心に据えました。朝は6時に起床し、朝食をとったら8時には岡豊病院のミーティングに通い、夜は自助グループに参加することを続けるうちに、生きていることを実感できるようになりました。
 断酒継続は一人では無理と限界を知り、同じ体験をしている人と出会ったり、病院の専門家に相談に乗ってもらうことで、私の心の奥にあった孤立感や不信感、猜疑心が拭われていきました。
 現在も通院と自助グループ参加を欠かさず断酒継続中ですが、これは私の力ではなく、病院の関係者や自助グループの仲間、相談に乗ってくれる方のおかげなのです。日々感謝です。

よくあるご質問

Q1アルコール依存症とアルコール中毒はどう違いますか?
アルコール依存症はかつて(慢性)アルコール中毒と呼ばれていました。中毒はその名の通り、「毒に中っている」状態であり、体内から毒が抜けると治ります。しかし、依存症は、「心も体もはまっている」状態なので、「酒さえ止めれば良し」ということではないのです。
Q2自分でお酒が止められればアルコール依存症ではないですか?
一時的に止めることはできても長く止め続けられない、「止めたいときに止められない」のがアルコール依存症の特徴です。これはコントロール障害といって、アルコール依存症の診断基準の1つです。  
 
Q3肝機能検査の結果が悪くなければアルコール依存症ではないですか?
そのことでアルコール依存症の可能性がないわけではなく、アルコール依存症の診断項目を満たせばアルコール依存症です。アルコール依存症の方でも肝機能が悪くない方もいらっしゃいます。 
Q4最近、物忘れがひどいのですが、アルコール依存症でもそのようなことがおきますか?
はい。アルコールは脳にダメージを与えます。特に前頭葉が委縮したり、機能を低下させます。結果、物忘れや情緒不安定、衝動性、計画性のなさ、自己中心性などが多くの患者さんが経験しています。物忘れだけでなく、時間や場所が分からなくなったり、現実と理想の区別がつかなくなる方もいます。ただし、年単位で断酒を続けていくと、脳が元に戻る場合があるのであきらめないでください。    
Q5お酒を止めて1年経ちました。少しなら飲んでも大丈夫ですか?
アルコール依存症は進行性の慢性疾患です。断酒すれば進行を止めることができますが、飲み始めるとさらに進行していきます。また、コントロール障害なのですから、何年断酒したからいって大丈夫というわけではありません。重要なことは、「今日一日、最初の一杯を回避する」ための具体的な対処法です。 
Q6やっと入院してもらいました。治療は病院にお任せでいいでしょうか?
治療は原則的に家族も含めた治療共同体です。快復の本当の正念場は退院後、つまり、家族との過ごし方です。ぜひとも、 家族プログラムに参加してください。
Q7受診を説得しても、どうしても嫌だという場合はどうしたらいいでしょうか?
最初は受診を拒むのが一般的です。しかし、多くの方が現状を好ましいとは思っておらず、何とかしたいという気持ちをお持ちです。そして、アルコールが影響して正常な判断ができない場合もあります。ご家族だけで悩まずに、医療相談室のソーシャルワーカーとともに対策を考えましょう。 
Q8入院して1週間経ちますが、毎日のように退院したいので迎えに来てほしいと電話が来ます。本人の言う通りに退院させた方がいいでしょうか?
依存が深まると、酩酊していないと不安になってしまい、そのために病的に飲酒を繰り返してしまいます。精神状態が不安定な時期で、形を変えた飲酒渇望の表現だと考えられます。治療に関係することは必ず主治医や治療スタッフと協議して決定してください。
Q9自助グループには出席したくないと言っています。出なくてもアルコールは止められるのですか?
出席をしたくないという理由はいろいろと考えられます。理由によって対処法が異なります。雰囲気が嫌だという場合は、例会やミーティング会場は複数ありますので他の場所に出席することもできます。その他には否認から拒んでいる可能性もあります。アルコールを止めるだけなら、自助グループに行かずとも可能な場合はありますが、「生き辛さ」に向き合っていくためには自助グループは欠かせません。   
Q10外泊中に飲んでしまいました。もうダメでしょうか?
外泊は普段の生活環境に戻り、アルコールなしで生活を行うトレーニングです。特に最初や退院前の外泊では飲酒してしまうことがありますが、その時の状況や引き金になった出来事を振り返り、繰り返さないように計画を立てることが必要です。悲観的に捉えてあきらめないでください。隠さずに素直にカミングアウトできたら、快復のチャンスとなります。 
Q11退院したら完全にお酒を止められそうなので通院する必要はないでしょうか?
アルコール依存症は慢性疾患ですから、通常は長期に通院する必要があります。当院では長年断酒している方も受診に関わらず、院内ミーティングに参加をしています。多くの依存症者は、抱えている問題を酔うことで棚上げしている場合が多く、断酒した後は、シラフで問題に向き合うことになります。はじまったばかりの断酒生活の中では、生活上の問題や人間関係、就労のことなど様々な悩みを抱える方が珍しくありません。お一人で悩まずに、仲間や専門家のサポートを受けることをお勧めします。そのためには断酒の有無にかかわらず、通院は継続していただきたいです。 

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