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認知症について

認知症を発症させる病気にはどのようなものがありますか?
「認知症」は病名ではなく、病気の症状を指す言葉です。認知症の原因となる病気はいくつもありますが、最も多いのは脳の委縮が起こるアルツハイマー病で、全体の約6割を占めているといわれています。次いで、脳卒中による脳血管性の病気と、脳細胞内に「レビー小体」という特殊な変化が現れるレビー小体病が3割ほどを占めています。この3つを合わせると認知症全体の約9割を占めています。
 
アルツハイマー病
脳の萎縮が認められます。また、画像診断で「老人斑」と呼ばれる変化が見られるのも特徴です。症状はもの忘れから始まり、次第に進行します。ただし、治療によって進行をゆるやかにすることが可能です。
 
脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳の血管の病気によって、脳の血管が詰まったり出血することにより認知症を発症します。脳の細胞に酸素や栄養が送られなくなるため、細胞が壊れてしまい、本来細胞が担っていた機能を失うことによって起こります。
 
レビー小体型認知症
脳の側頭葉、後頭葉の萎縮や活動の低下による「生々しい幻視」が最も目立つことが特徴です。手の震えや小刻み歩行、手足のこわばり、表情がなくなるなど、パーキンソン病のような症状のほか、便秘や失禁、立ちくらみなどの自律神経症状をともなうこともあります。 その他、前頭側頭型認知症、甲状腺機能低下症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などがあげられます。
認知症と老化現象の違いはなにでしょうか?
認知症は体験が丸ごと記憶から抜け落ち、日常生活に支障をきたします。 人間は誰でも、歳をとると体力が落ちていきますが、それと同じように知的能力も加齢とともに徐々に下降線をたどります。そのためもの忘れや、ついうっかりは、ごく自然なことです。一方で認知症は脳の機能の病的な障害によって起こる症状です。自然な老化現象とは、はっきりと違うものです。
 
認知症の症状としてよく現れる「もの忘れ」で比較してみます。私たちは食事のおかずを思い出せなかったとしても、食事を食べたこと自体を忘れることはありません。しかし、認知症の場合は「食べた」という体験自体がまるごと記憶から抜け落ちてしまいます。初期の段階ではそうしたもの忘れを自覚して不安になる人もいますが、症状が進むにつれて、忘れたことに対する自覚がなくなり、「まだ食べていない」「食べさせてくれない」などと言い張るようになるのも特徴です。
認知症を発症した際のサインはありますか?
認知症の発見で重要なことは、以前には見られなかった、生活に支障のある記憶の低下や理解力の低下、情動の変化があるかということです。
 
・同じことを何度も言うようになった
・最近の出来事を忘れるようになった
・よく知っている物や人の名前が出てこない
・物をよくなくす、探し物が多くなった
・日付や曜日がわからない
・勘違いや誤解が多くなった
・身の回りのことを構わなくなった
・家事をしなくなった
・意欲がない
・怒りっぽくなった  など。
 
なんだかいままでと様子が違うと感じるころには、症状が進行していることがあります。
高齢でなくても認知症を発症することがありますか?
若年性認知症という若い年代から発症する認知症があります。若年性認知症は40歳から64歳に発症した初老期認知症に、18歳から39歳までに発症した若年期認知症を加えた認知症の総称です。 若年性認知症という独立した病気があるわけでなく、発症年齢で区分した概念であるため、認知症を引き起こしている原因はさまざまです。若年性認知症は、高齢期の認知症と同様の症状を示します。特に中核症状は脳の生物学的な機能低下によるもののため、現れる状況などに違いはあっても、症状自体にはほぼ違いがありません。
 
一方、行動・心理症状は社会的・外的要因による二次的な症状ですので、若い世代特有の苦しみもあるようです。
家族の入院に罪悪感を抱いてしまいます。
病院に入院するという決断は心が揺れ動くものです。できるだけ自宅で生活したいと願うご本人に対し、出来れば叶えてあげたいと考えるご家族も多くおられます。
 
しかし、介護疲れにより日々の暮らしが苦痛になってしまうと、そういった感情が介護される側に伝わる可能性もあります。正解は一つではありません。罪悪感を抱え込まず、ご相談ください。面会や外出などの際に「悩みましたが入院してよかったです」とおっしゃってくださる方も多くおられます。体が離れても、心が離れる訳ではありません。

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